日本製紙八代工場(熊本県八代市)のばい煙データ改ざん問題で、熊本県と八代市は3日、ばい煙に含まれる窒素酸化物(NOx)濃度が大気汚染防止法の基準値を超えるデータを改ざんしたのは「ボイラー5基で22日間」とする調査結果をまとめた。当初、工場側は「2基で5日間」と発表していたが、それよりも多かった。県は同日、同工場に対して文書で厳重注意し、市も指示書で防止策の徹底を求めた。

 日本製紙(東京)の全国6工場でデータ改ざんが発覚した7月、八代工場は2004年度からの3年間にボイラー6基のうち2基で5日間、NOx濃度が基準を超えたが、基準内に収まったかのようにデータを改ざんしたとしていた。

 県と市は、立ち入り検査で月報や日報などを調べ、データが改ざんされたボイラーの数や期間が判明した。

 さらに、同法よりも基準値を厳しく定めた市と同工場の環境保全協定に照らせば、基準値を超えたのは「2004年度の1年間だけでも、ボイラー全6基で少なくとも48日間」に拡大するといい、八代市の坂田孝志市長は「市民に対する背信行為。極めて遺憾」とのコメントを出した。

 改ざん期間などの食い違いについて、工場側は「ボイラーの起動、停止時の濃度測定を必要としない別の法律を適用した」(総務課)としているが、県は「認識の誤り」と指摘。同工場の馬城文雄工場長は「法令順守を徹底し、再発防止に努める」と話している。


=2007/09/04付 西日本新聞朝刊=